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ROZETERIA

漫画、アニメ、ゲームなどのエンターテイメント系情報を取り扱うブログサイトです。 ニュース、評論、業界ネタなどを幅広く取り上げていきます。

『信長の野望・創造 with パワーアップキット』リアル路線に舵を切った信長の野望・創造。失われたエンタメ感。

前作の「信長の野望・天道」にもかなりハマりましたが、天道とは打って変わって国産シミュレーションゲームとしては最高峰のスケールを備えていると思います。

まず、非常にリアリスティックになりました。リアリスティックって普段あんまり使わない言葉ですけど、ようするに現実的になったというか、以前の作品のように弱小勢力でもプレイヤーが上手いこと立ち回ればどんな巨大勢力でも打ち任せるといった非現実的な展開が無くなりました。

リアル路線の良いところ

このリアル路線の良いところは何かと言えば、やはり畿内や尾張など当時強かった地域の戦国大名が順当に強くなり、史実っぽいシミュレーションが可能になった点でしょう。前作まではどうしてもゲームの仕様上「端っこ」が強くなりすぎるんですね。どういうことかと言うと九州の一番南の薩摩地方を本拠地とする島津家。この島津は南が海なので全兵力を北へと向けることが可能です。九州を制覇したら今度は東にしか敵がいないのでそのまま全兵力を東に進ませることが可能です。つまり端っこは守らなくていい。だからゲームではめちゃくちゃ強くなりすぎてしまう。信長の野望や三国志シリーズが共通で抱えていた課題でした。戦国時代に詳しい人はわかると思いますが、九州や東北の大名が徳川や織田や毛利を蹴散らして全国制覇ばかりするなんてありえないですよね?

この問題点を創造では見事に防ぎました。

豊かな場所ややせ細った土地など、地方ごとに格差をしっかりつけるようになったんですね。どういうことかと言うと、山奥の土地なんかは人口が少ないし、畿内(現代の関西)や尾張(名古屋、織田家の本拠地)などは人口が多くて肥沃な土地なので作物収入が多く兵糧にもお金にも事欠きません。

九州や東北は当時非常に人口が少なく痩せた土地でした。この土地パラメータを導入することで、端っこボーナスを獲得した島津などの辺境大名の勢力が大きくなるのを防いでくれるようになったのです。プレイヤーが頑張って畿内のライバルとしのぎを削ってる間に、悠々と九州・中国地方を制覇した島津が攻め込んできて詰む、ということが無くなりました。

リアル路線の悪いところ

いいことづくめにも思えるリアル路線ですが悪いところも露呈してしまいました。やはりゲームですから、弱小勢力をプレイヤーの腕で大きくするといった楽しみ方をする人も多くいたわけです。ぶっちゃけ私もその一人です。でもそれが創造からのリアル路線で難しくなった。

プレイしたこと無い人にはわからないでしょうが、戦国時代には姉小路家という超弱小勢力がいるんです。姉小路さんは武将の質も低いし、なんといっても近隣に上杉、織田、武田など錚々たるメンツが揃っているためにかなり厳しい情勢に立たされています。この姉小路家でも、以前までの作品であればプレイヤーの腕によって何とでも状況を切り抜けて征夷大将軍への道をひた走ることができたんですね。

でも今作は無理です。まず無理。強い勢力が順当に勝ち上がり、弱い勢力は消し炭のように消え去る。 こういう当たり前の現実的な状況が再現されやすくなっています。

武将への愛着がわかない

また、リアル路線の弊害で個々人の武将の個性が乏しくなって武将への愛着があまり湧かなくなりました。

天道までの信長の野望は良い意味でも悪い意味でも「キャラゲー」と称される、武将個人の能力で戦闘が決まってしまう側面が強かったです。例えば最強クラスの武将と言えば戦国時代に興味がなくても織田信長、武田信玄、上杉謙信などが思い浮かぶかと思いますが、この武将がそれなりの軍隊を率いると平凡武将が3倍ほどの部隊を率いてきても簡単に蹴散らしてくれていました。これを良いと感じるか悪いと感じるかは人それぞれでしょう。

私自身はこの武将の能力で戦闘が決まってしまう側面をわりと好ましく感じていました。勢力的に厳しいところでもエース級の能力の高い武将が加入してくれると一気に戦局を打開することができるため、勢力拡大に際して苦楽を共にしたそのエース武将に非常に愛着が湧くんですよね。

打って変わって創造ではこのように一人の武将で戦局を打開できるような非現実的なことが無くなってしまいました。いかに国力を富ませて、たくさんの兵力を集めるか。ほぼこれだけ。ちょっと戦闘が淡白になっちゃいましたね。

まとめ

緻密なリアル路線へと舵を切った信長の野望・天道。そのリアル路線がゆえ、ゲームならではのエンタメ感が少々損なわれてしまったのが少し残念な印象を受けました。プレイ時間的にはゲームバランスめちゃくちゃの前作・天道の方が遥かに長かったですね。

ゲームバランスやリアルさの追求が必ずしもゲームとしての面白さにはそのまま繋がらないのかな、と興味深い一作でありました。