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任天堂決算短信、当期純利益は上方修正も、営業利益は下方修正

「平成29年3月期 第3四半期 決算短信」が掲載されました。

決算短信

決算参考資料

決算概要説明

プレゼンテーション資料

任天堂株式会社:株主・投資家向け情報

第3四半期累計の売上高は、3,111億円(前年同期比で27%減)、営業利益は、263億円(前年同期比で38%減)、経常利益は、491億円(前年同期比で11%減、純利益は、1,029億円(前年同期比で154%増)となりました。純利益がやたら大きいですが、メジャーリーグ球団のシアトルマリナーズ売却により、635億円が売却益として計上されているためです。

営業利益、経常利益はともに前年同期比で減少しています。営業利益が、前年同期比で38%減なのに対し、経常利益が前年同期比で11%減で済んでいるのは、経常利益にあの『Pokémon GO』の投資利益が含まれているためです。株式会社ポケモンなどに係る持分法による投資利益は、167億円とのことです。『Pokémon GO』により、任天堂の株価が暴騰し、過熱状態となったのは記憶に新しいですね。その後、任天堂が声明を出し、『Pokémon GO』の所有者が任天堂でないことが知れ渡ると、市場は一気に冷めていくのでした。あの『Pokémon GO』がもたらす利益が167億円とのことですから、任天堂の声明通り、大きな影響はなかった模様です。

『ポケットモンスター サン・ムーン』が1,469万本を売り上げ

凄まじい売り上げです。『Pokémon GO』といい、最近パッとしないマリオと比べて、すこぶる元気ですね。とある妖怪に窓際に追いやられていた時期もありましたが、その妖怪が失速。まだまだピカチュウの時代は続きそうです。

『ドラゴンクエストXI』が「Nintendo Switch」の発売予定一覧にない

参考資料に、発売予定一覧があるのですが、そこに記載がありません。「Nintendo 3DS」にはあります。スクウェア・エニックスの公式サイトにも記載がありません。これを受けて、ネットでは任天堂の飛ばし?などと言っている方々もいますが、さすがにそれはないでしょう。開発者が「Nintendo Switch」での発売を示唆する発言をしていますし、『ドラゴンクエストXI』発表会の時点で、「Nintendo NX」(「Nintendo Switch」の開発コードネーム)に言及していましたし…。むしろ、発表会の段階で「Nintendo NX」に言及するあたり、任天堂プラットフォームに対する気配りまで感じさせます。ドラゴンクエストシリーズは、長い間、任天堂プラットフォームでしたしね。じゃあ、なんで記載がないかというと、単に発売の目処が立っていないのでしょう。そういった意味では、目処が立つことなく、「Nintendo Switch」での発売がなかったことになる可能性はあります。少なくとも「PlayStation 4」や「Nintendo 3DS」と同時期の発売はないでしょう。

Free to Start型とは?

プレゼンテーション資料を読んでいるとたびたび出てくる「Free to Start」というキーワード。これ、任天堂の造語なんですよね。「最初は無料で遊べるよ」という意味の造語なんですが、基本無料のビジネスモデルである「Free to Play」と何が違うのかというと、大して何も違わない。資料で紹介されている『ファイアーエムブレム』にしても、結局のところアイテム課金ですし。「オープンワールド」を「オープンエアー」と言ったり、流行に乗っていると思われたくないのか、ときたま変な造語を作る任天堂なわけです。

市場の反応

任天堂(7974)の株価は続落です。なお、ディー・エヌ・エー(2432)も急落となっています。純利益は増大となりましたが、主要因となるシアトルマリナーズの売却益は一時的なもので、通期の営業利益も下方修正となっています。その結果、上ブレを期待していた投資家の失望売りが入ったようです。