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『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』世界観、ストーリー、演出に没頭させてくれるハリウッド映画のようなゲーム

『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』は、ノーティドッグ開発のアクションアドベンチャーゲームです。ノーティードッグは、アメリカのゲーム開発会社で、SIEの完全子会社です。だから、『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』は勿論 PlayStation 4 独占となっています。20年以上に渡り、優れたゲームを創り上げてきたデベロッパーで、ノーティドッグへの期待値は非常に高いものでした。そして、ノーティドッグは、それにきちんと応えてくれます。『クラッシュ・バンディクー』や『アンチャーテッド』が有名ですね。なんと、『クラッシュ・バンディクー』は、『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』のゲーム内でプレイすることができます。

シリーズを締めくくる優れた作品

『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』は、表題に連番こそ付いていませんが、シリーズ作品です。もっぱら"アンチャ4"、"UC4"などと表記されます。シリーズ自体は通算で5作品目です。にもかかわらず、なぜ"アンチャ4"なのかというと、携帯ゲーム機で発売されたスピンオフ作品『アンチャーテッド 地図なき冒険の始まり』があるからです。このスピンオフ作品を除いて、アンチャーテッドシリーズは主人公(ネイト)が同じです。主人公以外にも馴染みのキャラクター達も登場します。

『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』は、これがシリーズ最後の作品になるかもしれません。少なくともネイトが主人公となるアンチャーテッドは終わりなのでしょう。開発がそのように公言しているためです。だからこそ、『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』は、シリーズを締めくくる集大成的な作品となります。実際にゲーム内容はそのような感じですね。過去作品のアンチャーテッド要素が全て詰め込まれています。

何気ない作りこみがとにかく凄いゲーム

シリーズ最後の作品だけあって、ボリュームは申し分ありません。そのうえ、冒険の舞台も幾度と無く変わり、様々な舞台を見せてくれます。シチュエーションも多様です。建物に忍び込んだり、遺跡を探索したり、広大な荒地を自動車で疾走したり、銃撃戦から、カーチェイス、1vs1の格闘シーンまで、様々です。これでもかといわんばかりにぶっこんで来ます。

マップも作りこまれており、グラフィックの品質も高いですね。オープンワールド並みに広いマップも存在します。屋根裏部屋の地球儀にピンポン球を当てて、地球儀を回転させて遊んだりもしました。こういった何気ない作りこみがとにかく凄いゲームなのです。

綺麗に完結する人間ドラマ

主人公は変わらずネイト(ネイサン・ドレイク)であり、シリーズ最終作だけあって綺麗に完結します。とにかく海賊王が残した秘宝を探し続けることになるのですが、その過程で人間ドラマがあります。エレナとの結婚生活のため、過去のような冒険をやめたネイトの元に、兄のサムが訪れます。海賊王が残した莫大なお宝を探し出さないと、兄のサムは命が危ない。とあるギャングに、お宝を見つけることを条件に生かしてもらったからです。ネイトは兄を助けるため、宝探しに協力します。

海賊王が残した莫大なお宝を探す目的は、終盤で大きく変わります。ストーリーが大きく変わる瞬間です。驚いたとともに、「お前、マジかよ」と言いたくなりましたが、ある意味似たようなことをネイトもやっています。ストーリーの序盤でエレナに対してですね。ネイトに対する兄のサム、エレナに対するネイト。そして、サリーは特に立ち位置が変わることなくいつも通り。ネイトを、時にはエレナを気遣ってくれます。

超人的なロッククライミング

アンチャーテッドのゲームプレイの多くは、ロッククライミングです。崖をよじ登ったり、崖から崖へ飛び移ったり、ロープアクションだったりです。よじ登りゲームですね。これを簡単にやってのける主人公のネイトは相変わらず超人に見えます。ロッククライミングだけでなく、パルクールにも精通しています。

ただの人間とは思えない動きをしますが、ただの人間です。ロッククライミングのことはよくわからないため、実際にネイトのようなクライミングができるかどうかはわかりませんが、命知らずであることは間違いありません。しかも、少年時代からそんな感じです。

凡庸なゲームシステム

ゲームシステムはいたって凡庸です。ロッククライミングやパルクール、銃撃戦などがアクションとして存在しますが、突出した何かがあるわけではなく、とにかく普通のアクション、普通のFPSです。1vs1の格闘シーンなどもありますが、ちょっとした反射神経と、タイミング良くボタンを押すだけです。作り自体は丁寧なものですね。

演出として、ボタン操作を要求される場面も多いです。「突然、崖が崩れて落っこちてしまう!早くボタンを押してロープを引っ掛けるんだ!」。こういったボタン操作を、QTE(Quick Time Event)と呼び、ムービーシーンや演出を盛り上げるためなどに使われます。アンチャーテッドのQTEは自然で、あまりストレスになりません。だが、アクション性を重視するプレイヤーにとっては、ゲームに必要の無い要素として、QTEを批判することもあります。例えば、終盤の女性指揮官との取っ組み合いは、展開があらかじめ決まっているように感じてしまい、戦闘自体の自由度はないし、面白さもありません。あくまで演出としての戦闘なのです。そういうものだとわかってないと、イライラするかもしれません。

基本的に一本道のゲーム

基本的に一本道のゲームです。オープンワールド並みの広大なマップもありますが、一本道であることは変わりません。進めるところを進み、キャラクターの指示通りに進めば、大概問題がありません。崖上り、パルクール、ロープなどのアクション要素も同じです。「ここでは、ロープを使ってくださいね!」。開発者があらかじめ用意したアクションを選択して進んでいくゲームプレイです。時折、開発者の意図がわからず、どう進めて行けば良いのかが解らない場合もありますが、時間経過でヒントが出るため、詰まることはありません。

プレイする映画

ゲームシステムが凡庸で、一本道のゲームですが、魅力のないゲームではありません。そもそも、『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』が目指すゲーム性は、自由度の高いアクションではないと思いますし、広大なマップの探索でもありません。ハリウッド映画のような演出や表現力を堪能し、映画の世界をプレイするゲームです。

一本道であるため、迷うこともないし、ヒントもでます。謎解きを要所で要求されますが易しめです。QTE要素が強いため、アクションが苦手でも、慣れればどうってことありません。銃撃戦が難しいならば、難易度選択で難易度を落とせます。

演出や表現力は本当に凄いの一言です。一切のロードがなく、全てシームレスです。ゲームプレイとイベントシーンとの繋ぎ目も自然で、いつイベントシーンに入ったのかがわからないほどです。

オフラインプレイだけでなく、マルチプレイもあります。ゲームシステム自体が普通であるため、マルチプレイも普通のFPS(銃撃戦)です。ただ、ロッククライミングや、ロープアクションを駆使するため、こういった要素は他のFPSにあまり見られない要素ですね。マルチプレイは、あくまでささやかなエンドコンテンツと認識したほうが良いでしょう。あくまで、オフラインプレイ(ストーリー)を重視したゲームであるように思います。

『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』は、まさに万人向けのゲームですね。世界観、ストーリー、演出に没頭させてくれるハリウッド映画のようなゲームです。