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『HOMEFRONT the Revolution』、北朝鮮が大朝鮮共和国と名を改め、アメリカを制圧する驚きの世界観

東アジアを次々と併合した北朝鮮が、大朝鮮共和国と名を改め、アメリカに侵攻、制圧してしまう驚きの世界観で届ける『HOMEFRONT the Revolution』。前作『Homefront』は、ストーリーに従ってステージを攻略していく標準的なFPSでしたが、今作は、オープンワールドとなり、拠点を制圧したり、破壊工作をしたり、自由な判断でゲームを進めるファークライのようなFPSと変身しました。日本での販売元は、ローカライズを手がける「スパイク・チュンソフト」です。

アジアを支配下に治める大朝鮮共和国

まず、最初に語るべき要素は、もちろんトンデモな世界観、舞台設定です。軍拡を進める北朝鮮が、手始めに韓国を併合し、大朝鮮共和国と進化。その後、ものの15年たらずでアジアを支配下に治め、アメリカに侵攻し、制圧してしまうというものです。

プレイヤーは大朝鮮共和国に抵抗する組織(レジスタンス)の一員として、占領されたアメリカを開放すべき奮闘します。ここまでが、『Homefront』ですね。『HOMEFRONT the Revolution』では、ここから、さらに数年の時が進んでいます。巨大な鉄の飛行船が空を飛ぶなど、大朝鮮共和国がSF的な進化を遂げました。プレイヤーは、この大朝鮮共和国が擁するKPA(朝鮮人民軍)と再び相対します。

オープンワールド化

ゲームの舞台は、前作から大きく変わり、オープンワールドとなりました。但し、シューターとしては、標準的です。銃を構えて撃ちます。装備できる武器はメインウェポンが2種と、サブウェポンが1種です。ささやかなカスタマイズ要素があり、レーザーサイトやスコープを装着したり、クロスボウが火炎放射機になったりします。

クロスボウが火炎放射機に変身するとは、どういう構造になっているのでしょうか。そのうえ、カスタマイズは戦闘中でも可能で、プレイヤーは即座にクロスボウと火炎放射機を切り替えてくれます。やはり、この世界はただものではないのでしょう。

KPAをちぎっては投げ、ちぎっては投げ、ちぎっては投げる

武器のバリエーションはそこそこあるのですが、いかんせん肝心の戦闘が単調です。オープンワールド化の弊害なのでしょうか。基本的に同じことの繰り返しです。KPAをちぎっては投げ、ちぎっては投げ、ちぎっては投げます。敵もほとんど変わり映えしません。ミッションや拠点制圧など、どんなシチュエーションでも、やることはたいてい同じことの繰り返しになります。そのため、強烈に飽きが来ます。

一方、ステルスが求められるステージは思いのほか楽しいものでした。ステージの傾向は、大きく分けて2種類あり、レッドゾーンと呼ばれるステージと、イエローゾーンと呼ばれるステージがあります。レッドゾーンは敵の殲滅が中心となりますが、イエローゾーンはステルスが基本です。

序盤をある程度進めるとイエローゾーンに到達します。イエローゾーンで目的を達成するには、ステルスしつつ破壊工作や暗殺を行い「心情」パラメーターをあげます。「心情」が100に到達すると民間人が蜂起します。さすればイエローゾーンはクリアとなります。

しかし、このイエローゾーン。確かに新鮮で楽しいのですが、困ったことにそれも最初だけだったりします。そのイエローゾーンも繰り返しやらされるからです。そのうち、新鮮味も失っていきます。結局のところ、同じことの繰り返しなのです。むぅ。

敵はお間抜けさん

プレイヤーを飽きさせてくる要因の一つに、変わり映えしない敵をあげましたが、問題はそれだけではありません。このゲーム、敵が基本的にお間抜けさんです。なぜ、プレイヤーの目の前で背を向けて陣取るんです?さっきまで、撃ち合ってたでしょう。

安定しないフレームレートとバグ

それほどフレームレートは気にしない方ですが、『HOMEFRONT the Revolution』は、フレームレートが結構な頻度で低下します。また、一時停止(フリーズ)も発生します。数秒で復帰するため、ゲームプレイにそこまで深刻な影響を与えませんが、フレームレートには神経質なプレイヤーもいるため、そういったプレイヤーは覚悟しなければなりません。

もっとも本当に覚悟しなければならない要素は、フレームレートの低下ではなく、バグの多さだったりします。このゲームは、バグが多いのです。拠点を制圧したいのに、倒すべき敵が登場せず(ロードしても治らない)、その拠点を制圧するのを諦めたことがあります。

少ないボリューム、平凡なストーリー

レジスタンスが巨大な敵に立ち向かうストーリーとしては、ありきたりで平凡なものです。エンディングも「これで終わってしまうの?」と人によっては、肩透かしに感じてしまうでしょう。ボリュームも少なく、オープンワールドで拠点制圧などの寄り道をしないと、本当にあっさり終わってしまいます。

歯ごたえのある難易度

FPSとしての難易度は高めです。わりとパタパタと倒されます。難易度を高くしている要因は、プレイヤーの耐久力が一般的なFPSと比較して低めに設定されているからですね。歯ごたえのある難易度となっています。

とにかく平凡なゲーム

とにかく平凡なゲームでした。オープンワールド化と、ユニークなカスタマイズは良かったです。しかし、肝心の戦闘が単調で飽きが来てしまうのが大きなマイナス点でした。

前作『Homefront』も荒削りなゲームでした。しかし、マルチプレイはそこそこ好評でした。今作は、好評だったマルチプレイが削られ、シングルプレイ重視のゲームとなりました。しかし、そのシングルプレイが残念な出来だったのです。

『HOMEFRONT the Revolution』は、難産なゲームでした。開発中に開発会社が倒産するなど、多くのトラブルのうえ、産み出されたゲームでした。そういった部分が、ゲームそのものにも悪い意味で影響を与えてしまったのかもしれません。

『バイオハザード0 HDリマスター』、初代バイオハザードの前日譚

サバイバルホラーの金字塔、バイオハザードシリーズの『バイオハザード0』がHDリマスターとなって登場です。『バイオハザード HDリマスター』に引き続いての紹介となります。『バイオハザード HDリマスター』同様に、「PlayStation 4」「Xbox One」などでダウンロード配信中。パッケージ版なら、『バイオハザード HDリマスター』とセットになった『バイオハザード オリジンズコレクション』があります。

バイオハザード0 HDリマスター

バイオハザード オリジンズコレクション

HDリマスターの進化

変更点は、『バイオハザード HDリマスター』と大きく変わりません。グラフィックがHD化し、画面比率も「16:9」に対応しました。操作性がアレンジされ、スティックの進行方向にそのまま移動するようになり、日本語吹き替えが追加されました。また、エクストラコスチュームが数多く追加となりました。『バイオハザード HDリマスター』にもエクストラコスチュームはありましたが、今作は数が多く、その多くが主人公であるレベッカのコスチュームとなっています。懐かしいクラシックスタイルのコスチュームから、一部の紳士を唸らせるあざといコスチュームもあります。その他、「ウェスカーモード」なるエクストラゲームも追加されました。

置くシステム

『バイオハザード HDリマスター』と同様に、ゲームシステムそのものの変更はありません。これで終わったら語ることがないため、本作にしかない特徴的なシステムを紹介します。ずばり「置くシステム」です。「置くシステム」は何かというと、アイテムを自由に地面に置けるシステムです。アイテムを置く行為は、今となっては珍しいものではないかもしれません。マルチプレイのゲームなどで、アイテムの受け渡しの手段としてもよく使われます。

ゲームキューブ版発売当時は、この「置くシステム」が積極的にアピールされていました。アイテムが地面に置けるから何なのだと思うかもしれませんが、『バイオハザード0 HDリマスター』にはアイテムボックスがありません。だから、持ちきれないアイテムは地面に置かざるを得ないのです。アイテムをどこにでも置けるため、アイテムボックスより便利に感じるかもしれませんが、アイテムボックス同士の異次元の繋がり(保管されているアイテムの同期)はないため、欲しいアイテムが置いてある場所まで、戻らなきゃいけないという状況が多々起きます。特に多くのユーザーが「フックショット」を置き去りにして後悔したことでしょう。そのため、広間などに集中的にアイテムを置き、取り回しを良くしようとするのですが、フロアごとに置ける数に上限があり、置きたくても置けないという状況になり、地味にストレスが溜まります。

「置くシステム」は、評価があまり芳しくないようです。ただし、RTAを意識すると「置くシステム」の評価が多少変わります。「置くシステム」は、マップを把握してはじめて輝くシステムのように思えますね。

ウェスカーモード

エクストラゲームとして「ウェスカーモード」が追加されました。レベッカのパートナーであるビリーがウェスカーになるモードです。とはいえ、イベントシーンやムービーシーンはあくまでビリーであるため、違和感はどうしても感じてしまいます。正直に言って、アマチュアが作るパソコンゲームのMODレベルの出来であるため、過剰な期待はしないほうがよいと思います。

『バイオハザード HDリマスター』、バイオハザードシリーズの初代リメイク版

サバイバルホラーの金字塔、バイオハザードシリーズの初代リメイク版がHDリマスターとなって登場です。初代『バイオハザード』があり、その『バイオハザード』をリメイクしたゲームキューブ版『バイオハザード』があり、今作は、そのゲームキューブ版『バイオハザード』のHDリマスターとなっています。数多くのプラットフォームに対応しており、現世代機なら「PlayStation 4」「Xbox One」などでダウンロード配信中。パッケージ版なら、『バイオハザード0 HDリマスター』とセットになった『バイオハザード オリジンズコレクション』があります。

バイオハザード HDリマスター

バイオハザード オリジンズコレクション

  • 名前 :バイオハザード オリジンズコレクション
  • 発売日 :2016年1月21日
  • プラットフォーム :PS4
  • サイト :http://www.capcom.co.jp/biohd/ja/

HDリマスターの進化

もともとグラフィックは申し分なかったため、フルHD化したことにより、より臨場感が高まりました。画面比率も「16:9」に対応です。その他、操作性に手が加えられており、従来のバイオハザードはラジコン操作で、移動先を切り替えるには旋回してターンする必要がありましたが、今作は、スティック操作の入力方向にそのまま移動します。最初は戸惑いますが、すぐに慣れ、快適に感じるようになりました。日本語音声も追加され、さっそく日本語音声でプレイ。これだけで、なんとなく新鮮な感じがします。ウェスカーの日本語吹き替えはとてもダンディズムですね。

ゲームシステムそのものの変更は無し

あくまでHDリマスターであってゲームシステムそのものの変更はありません。しばらくぶりのプレイだったため、わりと死にまくり。ジルで初見プレイ9時間という結果となりました。キャッチコピーは、「そこを歩く、という恐怖」。慣れていない序盤は本当に恐怖を感じます。最近のバイオハザードは、ホラー要素が薄めであるため、この感覚は非常に懐かしいですね。慣れてくると、洋館を我が物顔で歩くのもご愛嬌です。従来のバイオハザードのやり込み要素は「RTA」で、びくびく震えてる初見プレイとはうってかわり、効率を重視し、攻略手順を組み立て、タイムアタックをするようになります。こういう楽しみ方も「PlayStation」時代のバイオハザードの特徴ですね。販売元のカプコンもそれをわかっているのか、プレイヤー同士のクリア時間をランキング形式で提供するオンライン要素が、さりげなく用意されています。しかし、残念ながら機能しているとは思えません。明らかなチートにまみれていたり(クリア時間3分とか)、そもそもクリス編とジル編が同じランキングで競い合うのもアンフェアのように思えます。

クリムゾンヘッド

HDリマスターの追加要素ではなく、ゲームキューブ版『バイオハザード』の追加要素ですが、『バイオハザード HDリマスター』を語る上で欠かせない要素だと思っています。今作のゾンビは、初代バイオハザードのゾンビと異なり、倒しても復活します。より強力で獰猛なクリーチャー、クリムゾンヘッドとしてです。この要素がゾンビ慣れした従来のプレイヤーに新たな緊張感を与えてくれます。個人的には、同じゲームキューブ版『バイオハザード』の追加要素であるリサ・トレヴァーよりも好きな要素です。

『スターオーシャン5 -Integrity and Faithlessness-』、宇宙やオーバーテクノロジーを題材とした人気シリーズ5作目

2015年4月に謎のティザーサイトが「スクウェア・エニックス」から公開されました。ティザーサイトには「STAR」と読める文字が。「スターオーシャンの続編か。続編が来るのか。」と長年待ち続けたスターオーシャンシリーズのファンが踊り、沸き立ちましたが、過去の行いから疑心暗鬼になっている者も多く、「もしもしだろ?」「期待するだけ無駄」などの意見も聞かれ、「いや、これはスターグラディエイターだ。」「スターラスターか。」と明らかにメーカーが異なるタイトルを予測している者もいました。そして公開日当日に、「スターオーシャン5!開発はトライエース!」とでかでかと発表されると、熱心なシリーズファンは大きな歓声をあげたのです。

正式タイトルは、『スターオーシャン5 -Integrity and Faithlessness-』。プラットフォームは、「PlayStation 4」と「PlayStation 3」のマルチプラットフォームですね。なお、ティザーサイトの「STAR」の文字は「START」でした。「STAR OCEAN」じゃありませんでした。発表されたタイトルがスターオーシャンであったことに変わりはありませんが、公式がひっかけにひっかけを重ねてきた瞬間でした(意図的かどうかは知らない)。

  • 名前 :スターオーシャン5 -Integrity and Faithlessness-
  • 発売日 :2016年3月31日
  • プラットフォーム :PS4,XBoxONE
  • サイト :http://www.jp.square-enix.com/so5/

シリーズの変遷

スターオーシャンシリーズの第1作は、1996年に発売されました。第1作は、スーパーファミコンの末期だったこともあり、知る人ぞ知る作品でしたが、2作目の『スターオーシャン セカンドストーリー』は大ヒットとなり、70万本近くを売り上げました。しかし、その後の3作目が賛否両論であり、4作目にいたっては、多数のユーザーから空気のような扱いを受け、一部のユーザーからは事実上シリーズが死んだとまで言われてしまいました。そんな状況のなか、4作目の2009年から6年以上の月日がたち、5作目の発表となったため、ここに来て一体どんなスターオーシャンを見せてくれるのかと、多いに注目されました。正直にいって、5作目はないだろうと思っていたファンも、少なからずいたのではないでしょうか。

宇宙を舞台としたSF(サイエンスフィクション)

スターオーシャンというタイトルの通り、宇宙を舞台としたSF(サイエンスフィクション)です。とはいっても、宇宙船に乗って、宇宙を飛び回るゲームではなく、基本的には中世ファンタジーの世界を冒険するゲームです。この中世ファンタジーの世界に、オーバーテクノロジーな、高度な文明をもった先進的な惑星や組織(銀河連邦など)が登場し、中世ファンタジーの世界を掻き乱していくのが一種のお約束であり、今作も例外ではありません。しかし、いかんせん過去作に比べるとスケールの小ささが否めません。

まず、冒険する舞台となる惑星が一つしかありません(過去作には複数登場する場合がありました)。惑星が一つしかなくとも、それを補う作りこみや演出があればよかったのですが、その唯一の惑星も非常に狭く感じられてしまう作りの甘さがあります。例えば、フィールドやダンジョンは、数が少ないうえに、これといったギミックも無く、一本道で単調になりがちです。街や村はいくつか存在しますが、ほとんどの建物に入れないうえに、NPCとの会話が非常にやり辛く、ゆえに会話をしなくなり、ただ通り過ぎて、たまにアイテムを買うだけのハリボテのような街になってしまいました。世界を彩るグラフィックは素晴らしいですね。癖がありますが、間違いなく「PlayStation 4」のグラフィックです。しかし、作り込みが甘いうえに、ボリュームが大きく不足しています。ボリューム不足を補うためか、ストーリー上、かなりいったりきたりをさせられるのも厳しいですね。同じフィールドや街を何度も往復する羽目になります。加えて、クエストを消化しようとすると、より一層作業感が際立ってしまいます。

お人形のようなモデリング

キャラクターに関しては、案の定といったところか、お人形のようなモデリングで、よく批判の的にされます。これが、どうしても受け付けないという人はいるでしょう。最も、今作に限った話ではなく、3作目からずっとお人形のようなモデリングです。もともと、スターオーシャンのキャラクターイメージはアニメ調です。アニメ調のモデリングといえば、テイルズオブシリーズなどが採用しているトゥーンレンダリングが挙げられますが、スターオーシャンでは採用されていません。

スターオーシャンにアニメ調のモデリングが向いているかというと微妙です。なぜなら、アニメ調なのはキャラクターだけで、スターオーシャンを構成する舞台は、アニメ調というよりは実写(リアル調)に近いためです。フィールドやダンジョンはもちろん、宇宙やムービーシーンなどもリアル調で描かれています。今作もそうだし、過去作もそうでした。宇宙や艦隊戦での演出に、実写に近い迫力を期待している方も多いでしょう。にもかかわらず、キャラクターだけをトゥーンレンダリングにするのは違和感が大きく出てしまうかもしれません。そういった違和感を取り除こうとした結果が、お人形のようなモデリングなのかもしれません。

お人形モデリングに関しては、私自身はそんなに否定的ではありません。それに、『スターオーシャン4 -THE LAST HOPE-』とかに比べれば不気味さは薄らいでいるほうです。特に男性キャラクター、例えば、ヴィクトルやエマーソンなどのモデリングはよくできていると思っています。

ストーリーや演出の物足りなさ

SF(サイエンスフィクション)の世界で、キャラクターを中心としたサブカル的な雰囲気が混ざり合った世界であり、ストーリーも同様の雰囲気です。あまりストーリーが期待されている作品でもありませんが、それでも、過去作と比較してスケールが小さいため、物足りなさを感じてしまいます。

演出は、ほとんどのシーンがカットシーンであり、それは今作の特徴の一つでもあります。イベント中に自由にカメラアングルを動かすことができ、ポーズをとったりも出来ますが、そのせいでイベントスキップが一切出来ないため、ストレスを感じてしまう部分も多いのです。宇宙での艦隊戦も全てカットシーンであり、艦隊戦でのダイナミックな演出を期待しているとがっかりします。また、このゲームは非常にカメラが荒ぶります。個人差がありますが、人によっては酔いを引き起こしてしまうようです。設定で感度は下げられます。私は酔いに耐性があるため、どうということはありませんでした。

「3すくみ」を追求したバトルシステム

スターオーシャンシリーズの見所と言えば、「バトルシステム」と答えるファンは多いでしょう。スターオーシャンシリーズの「バトルシステム」は中毒性の高いアクションであり、今作は、3作目である『スターオーシャン Till the End of Time』をベースにした「3すくみ」アクションとなっています。プロデューサーも3作目が好きなようで、今作のタイトルロゴも、なんとなく3作目っぽいですね。

というか、一見して区別がつきません。

攻撃には小攻撃と大攻撃があり、小攻撃はガードできますが、大攻撃でガードは割られてしまいます。その大攻撃は、出の早い小攻撃に潰されるという形です。ガードからの反撃でガードカウンターを発動させることもできます。しかし、このスターオーシャンシリーズ最大の見所とも言える「バトルシステム」があまりうまく機能していません。機能しているのは序盤だけで、中盤以降は、「3すくみ?何それ?」状態です。機能していない理由はいくつかあります。

まず、過去作と異なりパーティ人数が多いことです。なんと、7人戦闘です。3すくみは 1 vs 1 では機能しますが、多 vs 多ではあまり機能しません。囲んで大攻撃連打でなんとかなってしまう場面が多いのです。そのうえ技のエフェクトが非常に派手です。派手でかっこいいのは結構なことですが、7人もいるせいか、エフェクト過多で画面全体がとにかく見えません。見えないんじゃせっかくの3すくみもどうしようもありません。

そして、敵の大攻撃が思いのほか小攻撃で潰せないのです(特に大きな敵)。潰せない場合は回避するしかありません。一応ステップで回避できますが、回避するなら7人戦闘をいかして、側面や背後を取ってゴリゴリ攻撃したほうが早いのです。敵の数が基本的に7人以上になることがあまりなく、常にプレイヤー側が数的有利になるため、大雑把な「バトルシステム」を、より助長してしまっています。

私の場合は、本当にゴリ押しだけで最後まで進んでしまいました。苦戦したところは、中盤のアンヌ防衛といわれるミッションと、敵のスピキュールくらいです。

楽しいアイテムクリエイション

スターオーシャンシリーズは伝統的にアイテムクリエイションと呼ばれるシステムがあります。作品によって細かなシステムは異なりますが、素材を使って多彩なアイテムを生み出すという点では同じです。それは、武器だったり、防具だったり、料理だったりします。今作もしっかり実装されています。特に料理は強敵でお世話になりました。最大HPが上昇する効果のある調理品を作成し、ボス前でそれを食べ、突撃します。アイテムクリエイションを駆使することで大きく難易度が変わるゲームですね。そういったやり込みが楽しいゲームでもあります。

その他、ロールというシステムがあり、各キャラクターにロールを設定することで、パーティ内での役割を明確化し、付加価値を付けることができます。攻撃力や防御力が上昇するという単純なものから、風変わりなものもあります。このロールも、活用することで、ゲームの難易度が大きく変わります。ロールの一つである「デッドマン」はチート級です。強すぎます。

アクション性は低く、育成を重視したRPG

『スターオーシャン5 -Integrity and Faithlessness-』は、あくまで「RPG」であり、アクション性は低いものです。「バトルシステム」は、アクションでありますが、細やかなテクニックを要求してくるわけではありません。あくまで育成を中心としたゲームです。アイテムクリエイションやロールは良くできていると感じます。反面、「バトルシステム」はイマイチで、爽快感こそありますが、のめり込めません。育成を重視すると、それだけゴリ押しで単調なバトルになりがちですが、「バトルシステム」が事実上機能していないこととは別に考えるべきであり、その点において、やはり残念な出来といわざるを得ません。

どこか懐かしさを感じるプロモーション

スターオーシャンシリーズを飛躍させた作品は、『スターオーシャン セカンドストーリー』ですが、その要因の一つにサブカル的な人気があります。キャラクター人気が高く、ガンガンでコミカライズが連載され、アニメ化もされました。エニックスから不定期に刊行されていた4コマ漫画劇場を読んでいたファンも多いでしょう。そういったサブカル的人気を意識してか、今作は、公式サイトに4コマ漫画を連載したり、発売前に人気投票をやったりとファンサービスに勤しみました。ゲーム本編の出来とはあまり関係ない話ではありますが、「あぁ、スターオーシャンってこういうゲームだったな。」と、久しぶりの雰囲気に懐古したアラサー諸君もいたのではないでしょうか。